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【福岡発】マンションの管理組合は運命共同体である

先週放送されたテレビ番組で、老朽化したマンションの現状が話題になっていました。

新築されてから40~50年以上経つそのマンションは、所有者の高齢化も進み、入居率も徐々に低下。維持管理が行き届かずに無法地帯のような有様です。老朽化が進むのは、マンションでも戸建てでも同じです。ただ、マンションは持ち家とはいえ共同住宅です。自分のものだから自分が思うようにできるかというと、そうでもない。運命共同体ともいえる管理組合の束縛を受けますし、入居者が平等に背負う義務もあるのです。

 

マンションの建物や敷地、エレベーターなどの共用施設は、マンションの区分所有者で構成する管理組合が管理します。そもそもマンション管理組合とは何ぞや?!ここでは分譲マンションにおける管理組合と管理会社のお話しをしたいと思います。

 

まず初めに、購入した分譲マンションは、自分のものなのか?について考えてみましょう。

 

マンションの建物自体は、各住戸(101号室とか302号室とか)を買った人が所有する住戸内の部分と、エントランスホールや外廊下など購入者全員の共有となる部分に分かれます。建物が建っている土地についても、購入者全員の共有持ち分である場合が一般的です。登記上は確かに自分のもののようですが、区分所有している住戸内以外は、マンション住民みんなの共有財産ということで、ちょっと複雑な感じがしますね。戸建ての場合は単純明快。建物も土地も所有者は一人(又は家族と共有など)であり、自分たち家族の判断で使用も管理もできます。もちろん、近隣住民に迷惑かけちゃダメですけどね。

 

ここが、共同住宅と戸建て住宅の大きな違いです。共有財産の使用や維持管理については、住民全員で考えて実施していくことになります。それを行うのが管理組合です。本来なら、住民の共助により清掃や補修を行うべきなのでしょうが、現在は専門の管理会社に外注しているマンションがほとんどです。その原資となるのが、住宅ローンの返済と共に毎月かかる費用として考えなければならない「管理費」と「修繕積立金」です。これをいくらに設定し、どこにいくらで外注するのか、決定するのも管理組合の仕事です。分譲マンションを購入すると、分譲会社がお膳立てした管理会社があれこれやってくれるので、管理会社のサービスを受けている感覚に陥ってしまいますが、そうではないのです。管理会社のやり方が気に入らなければ他社に変更することもできますし、安い会社に乗り換えて管理費を抑えることを考えてもいいのです。

 

が、みんなの意見が揃わないと、前に進むことができません。自分が住んでいるマンションの環境をよくするために、みんなで話し合うのが一番ですが、その音頭取りをしてくれるような理事長さんがなかなかいないのです。輪番制でいやいや就任されても困るので、同じ人がずっと理事長を続けたりするケースもありますが、運営に緊張感がなくなり、必要以上に管理費や補修費を出費したり、使い込み事件が起きたりする例が後を絶たないようです。

 

中古マンションを購入するときは、立地や間取りだけでなく、管理組合の状況も確認すべきです。管理規約等の開示を求め、日々の清掃管理だけでなく、将来にわたる修繕計画は策定されているのか、それを実施するだけの修繕積立金は予定通り積みあがっているのか、確かめる必要があります。

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