マイホーム購入を思い立ったら、不動産屋に相談するのが今までの当たり前でした。ところが実際に相談してみると、何となく感じるうさん臭さや、口先だけのテキトーな受け答えにうんざり!ネットのコメントを見るにつけ、どこに相談していいのかわからず路頭に迷う買主さんが多い現実を感じます。
不動産購入にはお金の話がついてまわりますから、FPが、住宅購入専門で相談を受け付けているケースもあります。知識を裏付けする資格(宅建士や建築士)はなくても、独自のやり方で対価を得るのは正当な商売です。専業分野(その資格がないと出来ない仕事)がない士業であるFPとして、個人事務所を運営していくのはかなり大変なことだと聞きます。お金の知識は人の役にたちますが、世の中がまだ、FPに相談する価値を見出していないのでしょう。
そんな中、あるコンサル会社のDMを目にする機会がありました。でかでかと派手な文字で、「建築紹介手数料ビジネスセミナー開催!パートでOK、宅建免許も専門知識も不要!」と書かれたチラシです。コンサル会社としては、「こんな上手いビジネスモデルを考えたので、セミナーを聞いてコンサル契約してください!」という営業チラシです。でも、その内容を見ていると、なんか、消費者を馬鹿にしてるというか、儲かり方の指南に終始していて気持ち悪いことこの上ない!パート接客でもマニュアルがあるので大丈夫とか、宅建業許可や専門知識も不要とか、リスク排除や経費節減という、自分本位の勝手な解釈で仕事をしようとしています。
相談する側からすると、どうですか?プロでもないパートさんに相談することに、何の意味があるのでしょうか?おそらく相談は無料なのでしょう。不動産業として仕事をするなら、その先にある仲介手数料を受け取ることができるかもしれませんが、そもそも宅建業の許可がないならそれも叶いません。つまり、「建築紹介手数料」という名目から察するに、紹介先から手数料を受け取ることが売り上げの全てなのでしょう。これでは、大手広告代理店が運営する既存の相談カウンターと、何ら変わりませんよね。その証拠に、優良な(?)建築会社と連携をとる方法なども教えてくれるそうですから。
目の前にいる相談相手は、紹介先から紹介手数料を受け取るために、マニュアル通りのことをしゃべっているだけなのです。これは既存の相談カウンターでも一緒です。消費者を集めるための広告宣伝活動の一環であり、結託した業者同士がお互いの利益のために持ちつ持たれつしているわけです。別にそれが悪いわけではありません。結局、そういうビジネスモデルなので仕方ないのです。それでもいいと思うか、そんな手には乗らないと思うか、どっちかです。
「無料相談」は、お互いを知るお見合いの場です。この人は自分が望む仕事をしてくれそうか、相性はいいか、信頼できるか、そんなことを自分で感じ取って、自分で決断するためにあるのです。自分で探し出すことは大変なことですが、人に紹介された会社が、自分にとって最良なものかどうかはわかりませんよね。相談相手が「頼れるプロ」なのか、それとも「調子のいい商売人」なのか。スタートから選択ミスをしてしまうと、最良のマイホーム購入が遠のくこともあります。
ここは慎重に行きましょう。