とっても魅力的な住宅ローン控除
中古住宅を購入した買主さんにとって、いちばん大きなメリットともいえる「住宅ローン控除」。この制度は1972年に導入された住宅取得控除以降、景気や国の財政状況に合わせ拡大縮小を繰り返しながら現在に至っています。
制度の適用には色々な要件がありますので、慎重に確認する必要がありますが、「10年間ローン残高の1%に当たる税金が還ってくる(中古住宅購入の場合の上限額は200万円)」ということですから、有難い制度であることは間違いありません。
中古住宅購入の場合は事前準備が必要なことも
さて、ここで問題なのは、買主さんにとってこんなに良い制度であるにもかかわらず、不動産仲介業者によっては、この制度の詳細について全くわかってないということです。特に売主側の業者にとっては利点がないわけですから、面倒で余計な仕事ととらえる言動が見受けられます。
先日も、「中古住宅を買ったんですけど、住宅ローン控除のことを不動産屋に聞いたら全然話にならなくて…。自分で証明書を発行してくれるところを探すように言われたんです。どうしたらいいですか??(涙)」 という相談の電話がありました。不動産取引のスケジュールを確認したところ、一週間後が引渡しとのこと! お気の毒ですが、これはもう無理です。
築20年以上の中古住宅で住宅ローン控除を受けるとなると、耐震適合証明書が必要なのですが、この証明書を発行するためには、まず基準に適合していることを確認する必要があるのです。つまり、耐震診断の実施ですね。幸いにして適合という診断結果が出れば、即、証明書の発行はできますが、不適合であれば、補強工事をしなければ証明書の発行はできません。
もちろん、所有権を移転して自分のものになった後しか工事はできませんから、引渡し前に工事を実施する必要はないのですが、「私は、引渡しを受けた後、耐震工事をして適合証明書を取得します!」という証である、仮申請をしておく必要があるのです。この一連の流れを一週間でやるというのはかなり難しいと思います。
マイホーム購入全体の見通しを立てて動き出すことが重要!
何故こんなことになってしまったのでしょうか??それは、スケジュール管理をする仲介業者が、住宅ローン控除に関する深い知識を身につけていないばかりか、面倒なことをのらりくらりと先延ばしにしたからです。買主さんが求めているのであれば、ちょっと自分で調べて、いつまでに何をすべきなのか、整理して教えてあげればいいじゃないですか! なのに、しないんですよね。なぜか? やってもやらなくても受け取れる仲介手数料は同じだからです。売買契約を成立させてさっさと取引を完了させることが、彼らにとって最も確実に仲介手数料を受け取るすべである以上、それ以外の仕事は、例え買主さんにとって重要なことであったとしても、彼らにとっては無駄な仕事以外の何物でもないのです。同じ物件を購入するにしても、仲介業者の選択ミスによってお得を逃してしまうこともあるんです。
せっかくいい制度があるのですから、使えるものはフルに使ってマイホーム購入を成功させてほしいものです。私たちは設計事務所でもありますので、既に他社で仲介することが決まっている物件に対しても、耐震診断や補強工事、証明書発行のお手伝いは可能です。もちろん、マイホーム購入を最初から最後までワンストップでお手伝いすることもできますよ。
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