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【福岡発】新築か中古か…固定資産税評価額の下がりっぷりで比較してみよう!

「新築で建てたいですか? 中古住宅を買いたいですか?」  そう聞かれたら、新築住宅がいいに決まってます。きれいだし、最新の設備が使えるし、現行基準で建っている安心感もあります。でも、「価値が下がりやすいものが欲しいのか? それとも、価値が下がりにくいものが欲しいのか?」  と聞き返されると、どうですか?  価値が下がりにくいものが欲しいに決まってますよね。

 

不動産の世界では、木造住宅の価値は30年も経てばゼロ状態になります。その根拠のひとつは、国税庁が公開している償却資産の耐用年数表にあります。木造住宅の耐用年数は22年。22年で使えなくなるという意味ではないですよ。あくまでも「会計上の価値は22年で償却してしまう」ということです。

 

もうひとつの根拠は、固定資産税評価額を算出する際に使用される減価率です。こちらは2割の残存価値に向かって年々減価していくイメージです。特に、坪単価が安い新築物件は15年先に向かって急降下。坪単価によって下げ止まりの年数は15年だったり20年だったりするのです。よっぽど坪単価が高い価値ある新築住宅なら、30年経っても2割以上の残存価値を認められているようですが、それは稀なことです。

 

では、中古住宅の価値はどうでしょうか?  築20年~30年の物件は、建物の資産価値は既に下げ止まっている状態です。新築時に算出された「再建築に要する費用」の2割程度の評価しかないのです。評価が低いと言われると気持ち的には複雑ですが、固定資産税額が低いということは、良いことですよね!しかも、面積や用途の変更がないリフォームであれば、基本的には評価が上がることもないので、固定資産税も最安値の状態で支払い続ければ良いことになります。

 

固定資産税評価額的には価値がないとみなされる中古住宅ですが、どっこい木造住宅の寿命は80年以上とも言われており、建て方や使用状況によってその良し悪しは千差万別なのです。確かにきれいでもないし最新でもありませんが、基礎と骨組みさえしっかりしていれば、リフォームで住み心地をアップさせることは十分可能なのです。

 

とはいえ、売却価格は売主さんが決めること。思い入れたっぷりの自慢の我が家が価値ゼロなんて耐えられないことでしょう。不動産購入は交渉事という側面もあります。建物の状況を正確に把握し、資金計画的にも問題がなく、欲しいという気持ちが強いなら、「私が大切に住み継いでいきますので、どうかこの価格で売ってください!!」と、値引きをお願いしてみるのもありだと思います。

 

決して、あら捜しをした挙句の値引き交渉なんて、してはいけませんよ。お互いにとって、「いい取引だったねぇ。」と思えるような心配りが、円満な取引には欠かせないのですから。

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