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【福岡発】借入限度額に影響する「審査金利」を意識しよう。

住宅ローンについて考える時、「変動にするか?固定にするか?」という議論をよく耳にします。

変動又は固定の選択というのは、住宅ローンの種類(カタチ)を決める作業です。でもその前に、自分が一体いくらぐらいの借入をすることができそうなのか、知る必要があるはずですよね!? この、借入限度額に大きく影響を及ぼす金利が「審査金利」と言われるものです。

 

金融機関が提示する金利は大きく分けて三種類あります。基準(店頭)金利、適用(優遇)金利、審査金利です。いずれも、金融機関独自の金利であり、高めのところもあれば、低めのところもあります。ただ、三つの金利の意味合いは変わりませんので、正しく理解し、借入限度額を計算してみることが大切です。

 

まず、「基準金利」とは、各金融機関が定めた原則的な住宅ローン金利のことで、住宅ローン商品(新築用、リフォーム用等)や金利タイプ(変動型、固定型等)ごとに定めて公表されており、「店頭金利」といわれることもあります。一般の商品で言えばこれは「定価」のようなもの。この金利をベースに適用条件による優遇が施され、返済月額を算出するための「適用(優遇)金利」が決定します。

 

金利優遇される条件は色々ありますが、例えば、給与振込口座がその銀行にあるとか、住宅ローンの対象となる家がオール電化仕様であるとか、その他にも金融機関によって特徴のある設定をしているケースもあります。この基準金利は毎月見直され、適用金利も基準金利に応じて変化します。また、最終的な適用金利が決定するタイミングは融資実行の時であり、審査を受ける時の金利ではありませんので注意が必要です。

 

そして、最も手ごわいのが「審査金利」と言われるものです。これは、住宅ローンの審査をするために金融機関が設定する仮の金利のことです。「銀行はお金を貸すところだから、貸してほしいと思えば借りられる」と安易に考えがちですが、貸す側の銀行にしてみれば、確実に完済してくれるお客様だけに貸したいと思うのが当たり前です。なので、銀行側が審査をする際には「多少金利情勢が厳しい状態になろうとも返済を継続できる人を選ぶ」という発想から入ります。そのため、審査用としてある程度厳しめの金利を仮設定し、これを十分にクリアできる人を厳選するわけです。つまり、これが「審査金利」ということ。

 

審査金利を公表している金融機関はないと思いますが、概ね3.0~4.0%ぐらいと言われています。また、審査金利を設定するかしないかは金融機関独自の考え方によりますが、60~70%の金融機関が審査金利を設定し、借入限度額を厳しめに計算するようになっています。

 

自分の借入限度額を計算する際は、適用金利ではなく審査金利を使用し、厳しめに判定してみるのも必要なことなんですね。