かつての我が家であるマンション。20年以上前に売却して引っ越して以来、近くに行くことすらありませんでした。
生活エリアが変わったため、行く必要自体もちろんないのですが、その後、周りの環境はどうなったんだろう?と、時々思い出すことがあります。私たちは5年で引っ越してしまいましたが、新築当時からずっと住み続けている人もいれば、私たちのように住み替えてその地を離れた人もいることでしょう。
新築されてから約25年、マンションの価格はどのように変化していったのでしょうか?行く末が気になって、ちょっと調べてみました。現在はインターネットの時代、物件検索ができるポータルサイトはたくさんありますが、過去の成約物件を調べるためには、不動産事業者だけが利用できるデータベースを使います。さすがに20年以上前の取引についてはデータがありませんが、2000年代に入ると、どんな物件がいついくらで取引されたか、詳細を確認することができます。
さて、マンションは共同住宅なのでみんな同じ建物に住んでいるわけですが、広さに加え、階数や方位による価値の上乗せで分譲時に各住戸の価格設定が行われます。一般的に、上階で南側に開口があるほど価格は高めで人気があります。が、中古マンションとして売却しようと思ったら、築年数による価値の下落は避けられません。分譲時の価格差に見られた「最上階だから」、「南向きだから」、というような特別仕様も価格に反映されることはあまりありません。結局、その時の不動産取引情勢に価格は左右され、ちょうどタイミングよくそのマンションを欲しいと思う人が現れるかどうかで成否をわけることになるのです。売買の取引は所詮当事者同士の交渉事です。高いとか安いとか思ったところで、結局は、「売りたい気持ち」と「買いたい気持ち」の相対的な強さによって、価格は落ち着くところに落ち着くのです。
話を戻して、成約事例の検索結果を見てみましょう。広さは約60~65㎡で間取りは3LDK、階数はまちまちです。
築後13年で820万円、更に、築後18~19年で420~510万円で取引されている3件の成約事例がありました。あまり参考にならないかもしれませんが、新築分譲時の価格が1400~1500万円程度だったとして、築年数と価格の下がり方の関係をイメージできればいいかなと思います。ざっと20年で価値は三分の一。住宅ローンの残債より高く売れればまだましですが…。因みに、現在売りに出されている住戸もありました。売り出し価格は900万。成約事例の価格に鑑みると、なんとも強気な価格設定と言わざるを得ません。もしかしたら、数年前のリフォーム代金を回収するために希望する価格を出しているのかもしれませんね。