マイホーム購入は、おそらく、人生で一番高いお買い物ですよね!?現金一括で買えないところが既に高い!!車もそうかもしれませんが、それとは桁が違いますもんね。同じローンでも完済までの道のりが長い長い!最長35年です。そうしないと、毎月支払っていけないほどに高いということですよね。
ところが、買う時は自分の懐が直接的には痛まないので、ついつい気持ちが大きくなりがちなんです。3000万も4000万も住宅ローンを抱える現実味がない。それなのに、目の前の豪華な新築物件に心を奪われてしまったり、オプションでグレードを上げることに抵抗がなくなったり。はっきり言って危険です!
皆さんは家計簿をつけていますか?家計簿をつける目的は、「収入と支出のバランスを考えて日々の生活を送り、将来必ず必要となるお金を計画的に貯蓄すること」ですよね。収入を増やし支出を減らせば貯蓄額は増えます。考え方としてはお小遣い帳の延長です。住宅ローンの返済についても、食費や日用品費などと同じく生活費として、給料という収入から返済という支出をしているイメージだと思います。が、「この支出は自分の意思とは関係なく、責任をもって履行し続けていかねばならないもの」だということを再認識する必要があります。
つまり、「買って食べたいけど我慢しよう」とか、「今月は厳しいから来月にしよう」とか、「こっちの方が安いからこっちでいいや」とか、自分の判断基準で支払いをストップしたり減額したりすることはできないということです。
なぜか?買ったもの(マイホーム)は既に手元にあるからです。その代金を約束に従って後払いしているのです。通常の買い物は、物と代金の同時交換、しかも買ったものは消費されて物も価値もなくなります。そのような消費活動だけであれば収支と貯蓄を把握するだけで事足りるのですが、はて、第三者(金融機関)からお金を借りてマイホームを購入し、その後35年間返し続けるということは一体どういうことなのでしょうか?
複式簿記の観点で考えるとわかりやすくなります。複式簿記とは会社の経営状態などを把握するための記帳法で、取引の二面性、つまり原因としての側面と結果としての側面に着目し、一つの取引を両側面からとらえることにより正しい財政状況を把握するというものです。
ちょっと難しいかもしれませんが、「借入という負債」を抱えることで「現金という資産」を増やし、その現金を「建物(マイホーム)という資産」に替えたわけですね。マイホームという資産を手にすると同時に大きな負債も抱えているわけです。毎月の返済は、その負債を少しずつ減らしていくことであり、35年後の完済時に初めてマイホームは掛け値なしの本当の資産になるのです。
マイホーム購入においては、「返し続けられるか?」という視点で慎重に検討を重ねるべきであり、また、これだと思う物件に出会った時には、検討を尽くした自分たちに自信をもって大胆に購入を決断するべきなのです。