日本人の保険好きは今に始まったことではありませんが、90%もの世帯が何らかの保険に加入していると言われています。
諸外国の数字を見るとアメリカは50%、イギリスは30%ということで、ほとんどの人が賛同しているという訳ではなさそうです。何にしても右に倣えの日本人ですから、大多数の人が賛同すればそれが当たり前ということで、なんとなく加入しておかないと気持ち悪い感じなんでしょうね。
さて、毎月支払う保険料は、純粋に保障として使用される純保険料と、保険会社の経費や利益である付加保険料からできています。保険の本来の目的は相互扶助であり損得は無いはずなのに、取りまとめる保険会社の儲けが大きくなり過ぎでは? と思うことはありませんか? 本当に必要な保険に自分の意思で加入するのなら問題ないのですが、保険会社の利益のために、必要もない保険に加入させられたりしてませんか?
最近の保険はとにかく複雑なので、営業マンの言うことだけを聞いているとそれがすべて本当のことのように感じるかもしれませんが、自分で調べて確認したり、逆の視点で考えて反論してみたりする必要があると思います。保険は仮定の世界、「もしもの時」に備えるものです。「もしも」が起こる確率はどのくらいでしょうか?「安心を買うつもりで加入してください。」とよく言われますが、貯蓄がままならないほど保険料に縛られてはダメです。
保険は安心のために入るのではなく、自分たちの力ではカバーしきれないほど重大な「もしも」が起きた時、助けとなるように備えるものです。そこに貯蓄を絡めて考えるとシンプルさが失われていき、複雑なしくみと高額な保険料に大事な蓄えが吸い取られてしまうのです。
保険に加入してしまうと、途中ではなかなかやめられなくなります。貯蓄性のあるものは特に、途中で解約することが一番損をすることになりますし、「今解約して明日何かあったらどうしよう」と思うと、なかなか思い切ることができなくなるのです。でも、必要もない保険に加入し続ける方がよっぽどもったいない!マイホーム購入で住宅ローンを組むなら、まずは保険の見直しからスタートしましょう。固定費である保険料が節約できれば、その分を毎月の返済額に加算することにより、借入額を増額することができるようになります。あるいは、将来のために貯蓄に回すことにより、計画的な繰上返済ができるようになるでしょう。
考え方によりますが、保険は最低限でいいのです。家族を守る保障も大事ですが、若ければ若いほど、死ぬ確率よりも生き続ける確率の方が断然高いんですから。何事もなくここまで来れたはいいが、老後の蓄えが心もとない なんてことにならないように、精査する時間と手間を惜しまず保険の見直しを敢行しましょう。