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【福岡発】後ろ向きなリフォームと前向きなリフォームの違い

日本でこれまで行われてきたリフォームというのは、主に修繕、機能回復型のリフォームでした。住まい手が感じる困りごと、あるいは目に見えて劣化してきた箇所について、とりあえず元の状態に戻す作業です。

住まい手が困りごとに業を煮やし、いよいよ重い腰をあげるイメージです。お金が出ていくことを苦々しく思いながらも必要に迫られてリフォームする。なので、できるだけ安く仕上げたいという気持ちが働きます。

 

しかしこれからは一歩踏み込んで、建物自体を長寿命化させるリフォームをもっと積極的に考えることが必要です。そのためには修繕や機能回復型ではなく性能向上型のリフォームの検討が前提となります。悪いところを直して原状回復するだけではなく、住まい手にとって、より自分らしく快適な住空間をこれからの生活のために準備するイメージです。安ければそれでいいという訳にはいきません。費用をかけてどこまでリフォームすべきか、今後の生活も想像しながら計画を練ることが大切です。

 

長持ちする住宅に求められる要件(長寿命化リフォームで向上すべき性能)は、①耐久性能、②耐震性能、③省エネ性能、④バリアフリー性能の4つです。劣化(物理的、機能的、社会的)を改善して性能を向上させることにより、築年数の浅い住宅にも劣らない快適な住空間を手にすることができるのです。更に、建物が長寿命であるということは、住まい手がかわっても社会的資産として循環させる価値が認められるということ。「古い家は価値がないから取り壊して新築するのが一番!」という考え方はもう通用しません。人生のほとんどを住宅ローンに縛られるわけにはいきませんし、エコの観点からもナンセンスです。これからは、豊かで快適に長きにわたって住み続けることを可能にする、ストック時代にふさわしい前向きなリフォームの取り組みが求められます。

 

リフォームは新築にはない難しさと楽しさがあります。既にあるものを最大限活かしながらパズルのように間取りの可能性を引き出します。設備や内外装材はお好みで最新の物を選択できますし、何と言っても、もともと不具合を感じていた我が家が快適空間に生まれ変わる様をつぶさに観察できる醍醐味があります。

 

中古住宅購入の際も然り…自分好みのリフォームを施すことで、唯一無二のマイホーム取得が実現できますよ。そのための第一歩としては建物の状態を見極めること。いくら長寿命化リフォームを施したくても既存の状態が悪すぎて莫大な費用がかかる…なんてことになると、本末転倒ですもんね。