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【福岡発】格安のインスペクション(建物診断)ってどうなの!?安いほど良いということはない。

安ければ安いほどいいのか??

何かモノを買ったりサービスを受けたりしたら代金を支払うわけですが、その量は、少なければ少ないほど良い(つまり、安ければ安いほど良い)という価値観がベースにあるのではないかと思います。確かに、自分のお財布からお金が移動するのはできれば阻止したいという気持ちはわかります。でも、お金が減ることにばかり目が行って、その値段がモノやサービスに値するものなのかどうかという検討がおろそかになるのは良くありません。もしかしたら、異常に安いということはその先の思惑があるのかもしれませんからね。

 

無料や格安になびく心理の根底には、その代金が妥当なのかどうかわからないという意識があるのだと思います。通販で売られている化粧品やサプリメントも、最初は、本当に効果があるのか自分では判断できないし、提示される定価を支払ってまで買う価値があるのかもわからない状態です。そこから二段階三段階で値引きやおまけの提示があると、「定価で買う価値があるのか?」という疑念が、「この値段なら買ってみてもいいかも!?」という気持ちに変わってきます。そもそも「期待した効果はあるか?対価として妥当か?」という検討ポイントだったはずが、「この値段なら買うか?買わないか?」になってしまい、その商品の価値や必要性、あるいは、何のために購入を検討しているのか?という視点が薄れてくるのです。

 

安物買いの銭失い

「安物買いの銭失い」ということわざがあります。「普通に比べて値段の安い買い物は、一見得した気分になったとしても、買った商品の品質が悪くて使い物にならなかったり、すぐに壊れたりすることも多く、結果として、お金を無駄に使い、損をすることになりますよ」という戒めのことばです。代金を支払うことだけに注目すると、安い方が良いということになりますが、その先の生活に役立たないなら、買った意味自体もなくなりますよね。

 

これは何もモノを買う行為だけに限ったことではありません。私たちが行うインスペクション(建物診断)は、建築士という有資格者が現地に赴き、国のガイドラインに沿って建物をくまなく調査・診断するというものです。一般消費者からすると、インスペクションという得体のしれないサービスにいくら払うのが妥当なのかよくわからない状態でしょう。中には「自分ではその価値や違いがよくわからないから格安の診断をとりあえず受けてみよう」という人がいます。そういう人は、安く診断を受けることが目的になってしまい、何のために診断を受けるのかという意識が希薄になっています。診断結果をその先に活かすという本来の目的を最初からイメージしていないのですから、その先に進むという具体的なプランもありません。また、値段なりの診断であるために、結果を見ても自分が必要とする情報が乏しく、結局、利用価値が低いサービスだったということも有り得ます。正に「安物買いの銭失い」、これでは、いったい何のためにインスペクション(建物診断)を受けたのかわからなくなってしまいますよね。

 

インスペクションのその先をイメージする

建物の現状を知りリフォームで改善する方法を検討する…そのための第一歩として不可欠なインスペクション(建物診断)です。診断内容や報告資料についての情報を集め、対価が妥当か、自分で判断して申し込むことが大切です。

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