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【福岡発】住宅ローンは借金ですよ!借りられるかではなく返し続けられるかを考えるべき

資金計画の確認

マイホーム購入を検討している人の多くは、住宅ローンの利用を前提に資金計画を立てます。購入物件の予算に直結することなので、「いくらまで借りられるか?」が最大の関心事になっている人も多いようです。が、借りられる金額と返せる金額は違うのですから、将来のことも考えて無理なく返せる金額で予算を組むことが大切です。

 

インターネットで情報収集していると、とあるFPさんが書いた記事に行き当たりました。相談者の年収や家族構成・生活ぶりから、計画しているマイホーム購入や住宅ローンが妥当かどうか、アドバイスをしているようです。

 

FPのアドバイスと危険な思い込み

相談者は40代のAさん、すでに計画は具体的になっており、購入する物件も住宅ローンを組む金融機関も決まっているようです。ただ、Aさんの年収と家計の状況からすると、毎月の返済額はぎりぎりいっぱいです。ローンは変動金利で、少しでも金利が上昇してしまうと、返済に行き詰まる心配があります。35年返済なので完済は現役引退後。退職金で繰り上げ返済をしてもまだローンが残りそうです。誰が見ても恐ろしいほど赤字に食い込んだキャッシュフローです。このFPさんも、リスクが大きいことをAさんに伝え、もう少し安い物件を探すようにアドバイスしたようなのですが、既に仮契約直前のAさんは聞く耳持たずの体だった様子。「もう一人、買おうとしている人がいると不動産屋に言われてるんです。先着順なので早く決めないと他の人に取られてしまうかもしれないんです!」と、興奮気味にFPさんに反論します。

 

将来に渡って返し続けられるか

結局Aさんは、アドバイスが欲しいわけではなく、背中を押す一言が欲しかったんでしょうね。でも、本人に不安があるぐらいなので、無理な計画であることは間違いありません。それでも、一度決めてしまうとなかなか後戻りができない。自分たちだけで考えているうちはまだいいのですが、不動産屋をはじめ他者が絡んでくると、煽られて正常な判断ができなくなるのはよくあることのようです。

 

自分の人生です。買いたければ買ってもいいんですけど、返せなくなって売却することにでもなったら、何のためのマイホーム購入だったのか、後悔が残りますよね。例え売却できたとしても、住宅ローンの残債をそれだけで賄うのは難しいことが多いので、売るに売れないという状況に陥る人もたくさんいますよ。

 

不動産業者や金融機関は、買主さんのその後の生活に責任があるわけではありませんから、今の状況だけを見て、できるだけ多く借りて高い物件を購入することを勧めてくるものだと心得ましょう。自分の将来に責任を持つのは自分です。今だけではなく、将来のことも考えて、無理なく返せる現実的な借入額で資金計画すべきなんですね。