固定金利の代表格 「フラット35」
12月になり、今年も終わりに近づいてきましたが、実は、今年の4月から住宅金融支援機構の「フラット35」の制度が大きく変わったのをご存知ですか?変動金利の低水準が続く中、見た目の数字で変動金利の住宅ローンを選択するケースが多いと思いますが、超低金利時代でローンを組むのであれば、固定金利を選択するのがセオリーです。あなたがもし心配症で、固定金利の安心感を求めているのなら、是非、借りるローンの検討候補に「フラット35」を加えるようにしましょう。
改正で何が変わった??
これまでのフラット35では「諸費用(物件価格以外にかかる費用)」は融資対象外でした。地方銀行の住宅ローンであれば、諸費用も、更に言えば、中古住宅購入の場合のリフォーム費用も含めた借入が可能ですが、フラット35は純粋に物件価格だけが借入の対象だったのです。それが、4月1日からは、諸費用もフラット35で組めるようになりました。これによって、従来「物件価格の9割」を超えると融資金利が0.44%上乗せされていたものが、「物件価格+諸費用の9割」が金利上乗せのラインになるため、実質97%くらいまでは、低い金利で調達できるようになったのです。
また、物件購入後のリフォームに利用可能な「フラット35リノベ」の適用要件が拡大され、「中古を買ってリノベーションをしたい」と考えている人には、とても魅力的な商品に生まれ変わりました。(従来は、適用要件の技術基準が相当高くて、それを満たすこと自体が現実的ではありませんでした。)
一番の目玉は、子育て支援型・地域活性化型の更なる拡充
更に特筆すべき点は、「フラット35」子育て支援型・地域活性化型の更なる拡充です。この制度は、子育て支援や地域活性化について積極的な取組を行う地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得に対する地方公共団体による補助金交付などとセットで「フラット35」の借入金利を一定期間引き下げる制度です。
福岡県にも、この制度の対象となる独自の取り組みがあります。事前に指定のインスペクション(住まいの健康診断)を受けた既存住宅に対するリフォーム工事が対象となる補助金制度です。補助金も支給され、更に「フラット35」の金利も一定期間下がるのですから、合わせ技でお得度もアップ!
無理なく利用する為にはそれなりの計画性も必要
ここで難しいのは、購入予定の物件が、インスペクションや補助金の対象となりそうか早めに見極めること、そしてスケジュール管理です。不動産購入の流れ、インスペクションのタイミングと適切なリフォーム計画、リフォーム費用を含めた資金計画と住宅ローンの手続き、そして補助金申請に関する手続きなど、同時進行で準備すべきことは多岐に渡るのです。
事が前後するとせっかくの苦労も水の泡…なんてことにも成りかねないので慎重に計画を練ることが大切なんですよ。