住宅ローンには保証が不可欠
マイホーム購入に必要なお金は、何千万という大きな単位。金融機関にしてみれば、確実に返してくれる人にしか貸したくないのは当たり前です。何らかの事情で回収できない事態に陥ると大変なことになりますから、保証をつけることを条件として貸し出します。本来なら連帯保証人を要求されるところですが、現在は、保証人の代わりに保証会社に保証を委託するのが一般的です。
保証料の支払い方法は二種類ある
この保証料を、一括で前払いするか(外枠方式)、あるいは、分割で払い続けるか(内枠方式)は選択が可能です。(一部のローン商品を除く)保証料は、借入額と借入期間によって決まります。例えば3000万円を35年間で返済するとなると、保証料は約60万円かかります。外枠方式を選択し自己資金で無理なく一括前払いできれば問題ありませんが、その他にも現金が必要なケースもありますし、そうもいかないですよね。となると、借入額を60万円増やすことになります。分割で払い続ける場合は、融資金利に保証料率分が上乗せされます。保証料率はおよそ0.2%です。この場合は、借入額は3000万円でいいわけですから、果たしてどっちがお得なのでしょうか?ちょっと気になりますよね。
で、計算してみました。融資金利を1%と想定した場合、借入額は60万円多いものの金利は0.2%低い外枠方式の方が、35年経った後、最終的に支払った総額は約47万円少ないという結果になります。しかも、外枠方式で支払った保証料は35年間分を前払いしているわけですから、繰り上げ返済に励み、早い段階で完済してしまえば、残り期間についての保証料は返還されるのです。なんだか得した気分ですね。
保証料は無料でも融資手数料が必要な商品もある
昨今、取り扱いが増えているのが、この「融資手数料型」と言われる住宅ローン商品です。ネット銀行やモーゲージバンク系で広がりを見せています。一般的に融資手数料の金額は、借入金額の2%(別途消費税が必要)程度と言われています。外枠方式の保証料との違いは、借入金額が同じであれば、借入期間によって融資手数料が増減することはないという点です。よって、長期借入の場合は外枠方式の保証料とあまり変わらないかもしれませんが、短期借入の場合は、融資手数料の負担水準が高くなるので、外枠方式に比べるとお得とは言えないでしょう。しかも、融資手数料は手続きに必要な手数料であり、保証料の前払いとは性質が違う費用です。どんなに早く完済しても、一円たりとも戻ってくることはありません。
自分が選択しようとしている住宅ローン商品はどんなものなのか、表面上の金利だけではなく、諸費用についても納得の上で決定するようにしましょうね。