「いくらかかるか?」ではなく「いくらかけられそうか?」
「普通、家を買うのってどのくらいお金がかかるんですか??」とても漠然とした質問を受けることがあります。う~ん、「普通」の定義が難しいのもありますが、そもそもどのエリアにどんな家が欲しいのかによっても、必要となる予算は大きく違ってきます。
マイホームは買って終わりではありません。ゴールではなく、新しい生活のスタートです。その生活がうまく回ってこそ、マイホーム購入は成功だったと思えるのです。そう考えると、「いくらかかるか?」を考えるよりも、「いくらかけられそうか?」を考える方が現実的です。「いくらかかるか?」という質問に対しては「人それぞれ」としか言いようがありませんが、「いくらかけられそうか?」という視点で見れば、自分サイズの答えを出すことができるからです。
貸す側の目安で判断してはダメ
よく陥る失敗は、年収をベースに計算された融資限度額や返済比率だけを見て、「行ける!」と判断すること。目安として設定されたこれらの数字は、貸す側の都合でしかありません。「それ以内なら貸出は可能ですが、その先、返し続けていけるかはあなた次第です。」と、後半の言葉は濁しながらニコニコしているだけなのですから。自分なりの検証が絶対に必要です。
毎月の返済額をいくら以内にすれば日常生活が無理なく送れそうか、また、将来必要となる教育資金や老後資金を十分に貯められそうか、自分たち家族の将来像を描きながら住宅ローン返済をスタートさせることをイメージしてください。
お金の算段をしてから探し始める
そのためにも、まずは調達できそうな予算のマックスを知ることが大事。手元の貯金からいくら出せそうか、住宅ローンはいくらまでなら借りられそうかを考えます。その枠の中で、無理なく返し続けられる住宅ローンの借入額を決め、買えそうな物件を探し始めるのです。
順番を間違えるとどうなるか?自分の予算を確認しないまま物件検索に進むと、無駄な行動や取り返しのつかない行動をとる危険性があります。気になる物件が見つかったとしても、それが買えるものなのか、それとも、もっといい物件も視野に入れて探していいのか、自分自身がわからないからです。また、目についた物件に飛びついて、仮審査の結果住宅ローンが組めるとなったら、十分な検証もせず後戻りできなくなるケースもあるのです。
お金の話をするのはみっともないとか恥ずかしいとか、とかく日本人は思いがちですが、マイホーム購入にとってはそこが一番大事なのです。