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【福岡発】なんとなくお洒落?スキップフロアは構造的に難あり

木造住宅の階層の話

木造住宅は平屋か二階建てが一般的ですが、地域によっては三階建ても建てることができます。福岡は比較的敷地に余裕があるケースが多いので、あまり積極的に三階建てにする必要もないかと思いますが、都会の狭小敷地など、限られた敷地面積の中で必要な部屋を確保するためには、上に伸ばすというやり方も有効になります。

 

さて、同じく限られた敷地を有効活用するために、車庫の上に部屋を作ったりすることがあります。スキップフロアと呼ばれるものです。一階の床高さ、車庫上の床高さ、そして二階の床高さ、一階と二階の間の高さの部屋があるという構造です。階段の踊り場から車庫上の部屋にアプローチするように作られています。

 

木造住宅の構造

ここで木造住宅の構造について考えてみましょう。一般的に地震力や風力などの水平荷重は、屋根や床を横から押す力であり、それに対抗するのが耐力壁です。その耐力壁が力を発揮することで、はじめて地震や台風に耐える事が出来るのです。つまり、屋根や床を構成する梁や土台が連続していて、耐力壁に直接力を伝える構造になっていないと、十分力を発揮することができないのです。床に段差があることは、耐震という面からみると、好ましい構造ではないということです。

 

耐震性能の確認

既存木造住宅の耐震性能を診断する方法は既に確立されたものがあります。診断対象となるものは、平屋あるいは二階建てのみです。三階建ては新築時の確認申請の際、構造計算がなされているので耐震性は担保されているという前提です。

 

では、階層に変化があってちょっとお洒落なスキップフロアの家はどうでしょう?残念ながら対象外となります。ということは、耐震性能を診断する方法が確立されていないということです。

 

耐震基準適合証明書の発行は難しくなるでしょうから、築20年を超えるスキップフロアの木造物件は、住宅ローン減税を受けることができない可能性もあります。

 

安全性が確認できない物件を、わざわざ買わなくてもいいですよね。比較検討対象から外す方が賢明でしょう。