人生の三大資金とモデルケース
人生の三大資金といえば、住宅購入資金、教育資金、老後資金。住宅を購入して家庭を安定させ、将来必要となる教育資金を貯め、子どもが独立した後に老後資金準備のラストスパート!従来のモデルケースはこうでした。
年齢でいうと、20代後半までに結婚・出産、子供が小学校に上がる30代半ばには住宅を購入し、高校卒業までに進学資金を貯蓄する。子どもが独立するのは40代後半、定年まで勤めあげることで貯蓄残高を伸ばし、退職金と合わせて老後資金にする計画です。
30代で持ち家率が上昇するのは、今も昔も変わりません。仕事も家族構成も安定し、落ち着いて生活できる我が家が欲しくなる年代なのでしょう。ただ忘れてならないのは、資金の多くを住宅ローンに頼っているという現実です。負債を抱えた状態で、その後の生活を安定させていく覚悟が必要なのです。
マイホーム購入は大きな負債を抱えるという事
マイホーム購入で一番大切なことは、その後の生活が成り立つかどうかです。住宅ローンは長丁場、予算を見誤ると返し続けていくことができなくなり、夢のマイホームを手放すことになりかねません。
変動金利の低さに誘われ、よく考えもせずマイホーム購入に踏み切る人がいます。ローン減税の後押しもあり、自分も買って払い続けられる人だと勘違いするのです。年収に余裕のある人ならまだしも、変動金利が上昇局面を迎えたとき、今現在でさえ夫婦共働きでなんとか均衡を保っているような世帯が、果たして乗り越えられるのか非常に心配です。
今は良くても、将来的には大丈夫ですか? 住宅ローンを返済しながら、子供の教育資金は貯められそうですか? 子供が独立した後も働き続け、老後資金も貯められそうですか?
結婚・出産が遅い場合、余裕を持って三大資金を考えることが難しくなってきます。それぞれの資金が必要となる時期が接近し、次の資金を貯める時間が限られてくるからです。
資金計画とその後の返済計画が何よりも大事
新築建売物件のチラシなどを見ていると、夢ばかりが先行し、大事な資金計画が疎かになってしまいます。そんな状態でフラフラと内覧会に行こうものなら、不動産会社の思うつぼ!
彼らにとって大事なことは、「買える客かどうか」ということだけであり、「無理なく返済可能かどうか」という目では検証してくれないのですから。
購入することばかりに目を奪われず、その後の返済計画やライフプランとキャッシュフローを確かめて、維持可能な自分サイズの住まいを選び取ることが大切なのです。