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【福岡発】「次世代住宅ポイント制度」の行方は如何に? 

住宅市場における受注促進策

「住宅ポイント制度」と呼ばれる住宅市場の調整策は、過去に3回実施されています。最初は平成22年の3月で、地球温暖化対策と景気回復という二大目標の元、「住宅エコポイント」という名でスタートしました。窓の断熱化や、床・壁・天井断熱材の使用促進、エコに資する設備機器への取り換えなど、目標に沿った商品が指定され、活況を博しました。

 

お次は平成24年1月。前年の東日本大震災における被災地復興を応援するために、「復興支援・住宅エコポイント」が誕生したのです。ポイント交換品として被災地特産品が盛り込まれたことで、間接的な復興支援という考え方が全国的に受け入れられ、締め切りを前倒しするほどの効果がありました。

 

更に、平成27年3月には、消費税が8%に引き上げられたことによる市場低迷のテコ入れ策として、「省エネ住宅ポイント」が導入されました。

 

今回の「次世代住宅ポイント制度」 その動向は?

日常的な買い物にも、ポイント制度はかなり浸透しています。どこでいつ何を買えば、一番効率よくポイントが貯まるか、日々情報収集して行動している人もいるそうです。日本人はおしなべてポイント好きなのでしょうか?大きな買い物である住宅の新築やリフォームにおいても、ポイントが付くとなれば少なからず心が動かされる、ということが、過去三回の実績で証明された感もあります。

 

でも、6月から始まった今回の「次世代住宅ポイント制度」はちょっと雲行きが怪しい感じです。次世代と銘打って、子育て支援や働き方改革というトレンドを盛り込んだものの、出足が鈍く広がりも感じないのです。消費税が上がる前の駆け込みを抑え、また、その反動による消費活動の低迷を底上げするために発動された今回のポイント制度ですが、そもそも駆け込みという現象自体が起きていないのではないかとも思います。

 

読みが甘かったのか??

消費税が8%に上がった時とは経済情勢も違いますし、住宅に投資するほど日々の生活に余裕がないのかもしれません。日常的な買い物であれば、ポイントで購入意欲をそそられることがあったとしても、そもそも住宅に投入できる余剰資金がなければ、わずかなポイントをチラつかせても動きようがありませんもんね。当たり前ですが、消費には優先順位があるのです。

 

本当に今必要なものを、どっちにしても買うというのなら、ポイント制度は大変ありがたい補助金のようなものです。でも、ポイント狙いであれもこれも買うという行動は、誰が見ても本末転倒ですよね。賢い消費者として自分の意思で判断し、主体的な消費活動を行いましょう。

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