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【福岡発】リフォーム工事における建築士の報酬

工務店の見積書

工務店にリフォーム工事の見積もりを依頼した場合、建築士の報酬が明確に計上されることはまずないと思います。工務店の諸経費は通常15%くらいかと思いますが、その中に建築士の報酬は含まれていることになります。

 

 

 

リフォームでも建築基準法を遵守すべき

たとえ建築確認を伴わないリフォームだったとしても、違法な工事をしていいわけではありません。全ての建築士は建築基準法を遵守し、国民の生命と財産を守る建築物を供給する使命があるのです。もっと言えば、「常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与する。また、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」と、建築士法に職責として明記されています。

 

リフォーム対象となっている建築物が、既存不適格状態に有れば、リフォームのタイミングで基準まで引き上げて適法状態を心掛けるべきです。予算や工期の制限があり、実際には実現困難だったとしても、提案はすべきなのです。見積金額は確かに安いけど、言われたことだけやるような御用聞きではダメです。住まい手の要望を形にするだけではなく、建築士の視点で今改善すべきことも検討のテーブルに上げ、バランスの取れたリフォームを実現すべきなのです。長い目で見れば、それは住まい手の安心感につながるのですから。

 

建築士の報酬は…

因みに、建築士の業務報酬基準に謳われている建築士の人件費単価は、最新の資料によると1日32,000円が目安とされています。

設計を建築士事務所に、工事を工務店に依頼した場合は、当然に、設計・監理業務に対する建築士の報酬を支払うはず。なのに、工務店に設計・工事を依頼した場合は何故か無報酬なのです。もしかすると、工事を受注することが大命題であり、建築士としてやるべきこととその対価については言及する必要はないと考えているのかもしれません。

 

設計・監理は大きな責任を伴う業務です。設計と工事を一手に引き受けることは、その責任をまっとうできる環境を得ることにもつながりますから、住まい手にとっても、きっと満足のいくリフォームになることでしょう。諸経費には建築士の人件費も含まれていることを認識し、目の前の工務店はその責任をまっとうしてくれそうか、ということも考えてみるといいですね。