福岡市から配布されたチラシ
福岡市の担当部署から配布されたチラシによると、福岡市内においても老朽化した外壁等の落下事故が多発している様子。確かに、ビルものの上層階からはがれた外壁が落下してきたら一たまりもありません。事故現場の写真には、外壁剥離を起こしたビルのバルコニー部分と、路上で粉々になったタイル張りの外壁が写っていました。
劣化はひび割れと雨水浸入で加速する
ビルものでも戸建て住宅でもそうですが、外装面の劣化は雨水の浸入に左右されます。最初に気づいたときは比較的小さなひび割れだったとしても、だんだん亀裂が広がり、雨水浸入の危険性も高まります。水が入ると内部の構造体も腐食し、やがて外装材が剥離を起こして落下することも。
私たちのお客様で、春先に外壁補修の工事を行った方がいらっしゃいます。かなり古い木造住宅で、前面道路に面した外壁部分に大きなひび割れがあり、既に浮きも見られました。この道は近所の小学校の通学路に指定されているそうで、道行く小学生の上に落下でもしたら大変と、今回外壁補修を決断されたそうです。
建物の維持管理は所有者の責任
家の中にいると、外のことはなかなか気づきにくいものです。建物内部の劣化は自分たちだけの問題ですが、外部の劣化は他人を傷つける可能性もあるのです。建築基準法では、「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」とされています。また、民法においても、「外壁や看板などの落下により、通行者に被害を与えた場合、所有者等の責任が問われる」となっています。
家は建てたら終わりではありません。春夏秋冬、過酷な状況で風雨を防ぎ家族を守る外装材を、定期的に点検・補修することが所有者の責任であり、それが家の長持ちにも通ずるのです。