住宅ローン減税は大変有難い制度
新築でも中古でも、マイホームを購入した人にとって一番有難い制度とも言われる「住宅ローン減税」。住宅を新築する、あるいは取得する際に住宅ローンを組んでいる場合、年末の借入残高に応じて所得税が還付される減税制度です。減税効果が高い分、要件も厳しく定められており、まず第一に、個人が、国内で、居住の用に供する目的で家屋を新築または取得すること、そして、新築・取得の日から6カ月以内に居住の用に供した場合しか適用されないことになっています。(他にも要件あり)
マイホーム取得後、言い渡された転勤命令
サラリーマンにとって、どのタイミングでマイホームを構えるかは頭を悩ますところです。子どもも生まれ家族のカタチも定まってくると、マイホーム取得の夢が膨らみます。ただ、会社での立場も変化の時です。管理職に抜擢されそうな予感がしたり、転勤を伴う大きな仕事を任されることもあるでしょう。マイホーム購入後、転勤を言い渡された場合、頼みの住宅ローン減税はどのような取り扱いになるのでしょうか?
答はかなりシビアです。「居住の用に供している」という状態ではなくなるわけですから、基本的にはアウトなのですが、国税庁通達により救済的な取り扱いが為されるようになっています。つまり、本人が住んでいなくても、扶養家族がそこで生活しているのであれば良いですよ、という解釈です。要は単身赴任ですね。お父さん、辛すぎです!せっかく愉しい我が家を実現したのに、住宅ローン減税のために単身赴任だなんて辛すぎる!でも、奥さんと子どもも一緒に転居となると、完全に対象外になってしまうのは間違いなさそうです。
住宅ローン減税は10年間(場合によっては13年間)適用ですから、そのうちの数年間が対象外になったとしても、再び自宅に戻って来られれば残りの年数は対象となります。先の通達からすると、本人は戻れなくても扶養家族が先に戻ってくればOKです。但し、この10年間(場合によっては13年間)は、当初の居住年から10年目(場合によっては13年目)までという意味ですから、居住していなかった年数分だけ適用年が後ろ倒しになることはありません。
結局どっちがいいのか?
以上のように、住宅ローン減税の恩恵を満額手にしたいのであれば、転勤を言い渡されても単身赴任を覚悟するしかなさそうです。でも、そもそも家計が二つに分かれると生活費も嵩みがちになるのでは?お金のプラスマイナスだけではなく、家族のこれからを考えて十分検討しないといけませんね。