買い物の場面ではよく見かけるけど…
日常的には良く目にする価格の二重表示。スーパーや通販でも当たり前にやってますよね。二重価格表示とは、実際に販売する価格と、これよりも高い価格を併記する表示の仕方です。「今だけ半額!」とか、「キャンペーンにつき○割引き!」とか、通常の販売価格を併記することで、実際に購入する価格があたかも安いようなイメージを引き出す手法です。思わず乗せられて買ったこと、ありませんか?
定価がある工業製品など、いつでもどこでも手に入る商品については、二重価格表示による購買欲の喚起は問題ないのかもしれませんが、不動産売買に関しては「不動産の表示に関する公正競争規約」により、厳しく規制されています。
不動産は唯一無二の早い者勝ち
不動産は、新築でも中古でも同じ物はこの世に二つとありません。同じ仕様の建物を同じ時期に建築したとしても、立地が違うだけで全く別の物件になります。それぞれがメリットもデメリットも持ち合わせており、それらの特徴は、買い求めようとしている人によってメリットにもなりデメリットにもなるという、不思議な商品です。誰もが納得する標準価格もありません。人によっては高く感じるものも、ある人にとってはお買い得に感じることもあるのです。何を基準に購入を決意すべきか、非常に難しい買い物です。
それなのに、「今だけ100万値引きします!」とか、「キャンペーン期間中は旧価格から10%引き!」とか言われると、十分な検討ができなくなってしまうかもしれません。
物を買う理由は、それが必要だからですよね。あるいは、それが欲しいからですよね。安いから買うという考え方は、自主的な思考からちょっと逸脱しているのかも?
返品ができるような商品ならまだいいのですが、不動産売買の契約解除にはペナルティがつきますから、価格以外の諸条件についても、よくよく検討する必要があるのです。
コロナでマスク販売に異業種参入?
蛇足ですが、先日、マスク販売のチラシがポスティングされていました。1箱50枚入り税込3,500円とのこと。携帯電話に連絡すれば自宅まで配達してくれて代金は商品と引き換えだそうです。通常期には500円程で手に入るものが、需要と供給の原則とはいえ高すぎですよね!それでも、必要で欲しい人は買うのでしょうが、価格に見合った価値がそこに存在するのか、一旦は冷静に考える必要があるかもしれません。