マンションよりも戸建ての方が心配?
マンションよりも戸建て住宅の方が、チェックポイントを気にする人は多いような気がします。戸建てならではの瑕疵、屋根の雨漏りや床下の白蟻被害が想像されるからでしょう。では、マンションのチェックポイントは?自己所有の住宅なのに、共用部分に対する意識は専有部分に対するそれよりも希薄になりがちです。玄関ドアを閉めれば独立した空間のように感じますが、共同住宅である以上、共有部分も含めた買い物だということを忘れてはいけません。
チェックすべきポイント
中古マンションの良し悪しを判断する大きなポイントはいくつかありますが、その代表的なものについて説明したいと思います。部屋が汚いとか設備機器が古いとか、そのようなことはリフォームすれば何とかなりますが、改善したくてもできないことは購入前にしっかりチェックして検討しましょう。そして、多少難点はあるけれど、それでもその中古マンションが買いたいというのなら、リスクを背負う覚悟で購入を決断してください。
まず、そのマンションは新耐震か?旧耐震か?というポイントです。
言わずと知れた耐震基準の新旧のことです。昭和56年5月以前に確認下付を受けたものは、耐震補強工事を実施していなければ全て旧耐震物件ということになります。マンション全体の耐震性能が明らかに不足している状態ですから、はっきり言って、住宅として購入する価値はないものと思います。
次に、過去の維持管理の状況と現在の財務状況、及び将来に渡っての修繕計画はどうなっているか?というポイントです。
「管理組合の財務状況が悪くて必要な修繕工事もままならない。」とか、「現在は築浅で綺麗だが、今の積立金のペースでは到底将来の修繕資金を工面できない。」というようなマンションも少なからず存在します。「マンション全体の修繕積立金残高と滞納額」、「マンション管理組合での借り入れの有無」、「これまで実施した修繕履歴の有無とその内容」、「その他特記事項」などについて事前にチェックすべきでしょう。
「長期修繕計画表」には、「いつ、どのような工事が必要で、資金としてどのくらい必要なのか?」というような、将来の計画が書かれています。現在の積立金残高が、おおむねその計画表通りになっているかどうかなども、チェックしておくといいですね。
後は、ペット飼育が可能なのか?駐車場は空いているのか?バルコニーの利用規約や負担金の有無は?など、諸条件について納得できるかどうか、自問自答してみることです。
購入を決断したら、そのマンションの管理組合の一員として義務を守り責任を果たす覚悟が必要なのですから、事前チェックは慎重に行いましょう。