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【福岡発】 雨漏りリスクは屋根の形で軽減可能なことも。

屋根の雨漏りの原因は、瓦の劣化やズレによるものだと思われがちですが、実は、下地材のルーフィングが劣化したことで起こります。瓦葺きの屋根は、そもそも瓦同士の隙間から雨が入り込む構造ですから、下地がしっかりしていないと必然的に雨漏りは起こるのです。ただ、リスク軽減の為に屋根の形状や勾配には気をつけたいものです。

 

元来、日本の家屋はお城を小さくしたような和風住宅でした。屋根の形は「切妻(きりづま)」と言われるとんがり屋根が主流です。地方の農家など比較的大きな家は、「入母屋(いりもや)」と言われる、よりお城の屋根に似たつくりをしていることもあります。その後、徐々に洋風の生活様式が取り入れられるようになり、洋風住宅もだんだん増えていきました。どんな平面プランでも伏せやすい「寄棟(よせむね)」は、洋風住宅にもなじむ屋根の形です。切妻とは違い、四方すべてが屋根面で覆われているので雨漏りにも強いと言われています。

 

屋根の形状は建物のイメージを左右するのでデザイン的なことも勿論大切ですが、雨漏りしないように設計をしなければいけません。一番大事なことは、とにかく屋根形状を複雑にしないこと、そして、屋根材に適した屋根勾配をとることです。そのためには平面プランもすっきりさせる必要があります。下屋(下階の屋根)と外壁との取り合い部分などは、特に雨漏りの原因になりやすいところなので、総二階の建物にすればそのリスクはゼロになります。更に最近は、屋根の形を「切妻」や「寄棟」ではなく「片流れ(かたながれ)」にすることで、雨を滞らせることなくすーっと片側に流してしまう設計が好まれているようです。これらの手法はコストダウンを意識したものでもあります。総二階にすると、基礎も屋根も最小限の工事で済みますし、片流れの屋根にすれば、樋をかける距離も半分になりますので。逆に外壁面は増えますが、工期短縮や予算のことを考えると、片流れの方が好ましいのかもしれません。

 

最近の建売住宅などは正にこのような考え方でプランニングされているようです。以前は施工不良による雨漏り問題も多く、建売住宅は粗悪なイメージがありましたが、2000年に義務化された瑕疵担保責任により、築後10年間は新築した会社が雨漏りに対する全責任を負わなければならないことになりました。ただ、これは、問題解決の正しい道筋が規制されたに過ぎません。雨漏りを発生させない根本的な設計・施工技術の向上に期待したいところです。

物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談者に巡り合うこと」

 

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