先日、設備機器メーカーのショールームに行く機会がありました。この会社はキッチン専業メーカーとして日本で初めてシステムキッチンを商品化した創業70年を超える老舗です。
住宅業界には設備機器や建材を供給するメーカーがたくさんありますが、近年は、総合メーカーとしてグループ化する動きが顕著でした。そんな中、専業で我が道を探求するその姿に頼もしさを感じていたものです。
キッチンに限らず、リフォームの原動力となるのは現状の困りごとです。使い勝手が悪いとか、掃除がしにくいとか、小さなことかもしれませんが毎日のことなので不満は募るばかりです。自分でできることには限界がありますから、「もう償却期間は過ぎたな…」と思ったところで、プロに相談してリフォームしようということになります。
なので、物を選ぶ基準も「困りごとを如何に改善するか?」というポイントが重要視されてしかるべきです。メーカーの商品開発の視点もそこにあります。「従来品よりもこんなに良くなった商品がありますよ!」と新商品を発表します。
ところが、最近の考え方はちょっと違うようなのです。「困ったから調べる」ではなく、「みんなはどんなものを選んでいるのか?今はどんなものが流行っているのか?」から調べものがスタートします。SNSで話題の商品を検索し、それを自分も選択すれば間違いない、と思っているような節が見受けられます。果たして、それで困りごとは改善されるのでしょうか?? 時代の流れだから仕方ないとは思うものの、よく吟味もしないまま、買わされてる感は無いのかなぁ?と心配になります。
先のキッチンメーカーも、強みを最大限に活かした機能美を全面に打ち出しつつ、デザインや色味の選択肢に幅を持たせることで選ぶ楽しさを演出していました。どんなにいい機能がついていたとしても、流行りのデザインや色味でなければ勝ち目がないことは研究済みなのかもしれません。
リフォームのその先に求めるものは、ストレスから解放された楽しい時間です。SNSで話題の商品は、自分のストレス問題を本当に解決できるのか? 今一度、リフォームの原動力たる困りごとに立ち返る必要があるのではないかと思うのです。
物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談者に巡り合うこと」
対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。 |