自分の条件に見合った物件を見つけ出し、検討を尽くして購入を決断したら、売主側の仲介会社に買付申し込みを行います。提示した諸条件について売主の了解が得られれば、晴れて売買契約の準備に進むことができます。
不動産取引の場合、売買契約と引渡しが同時に行われることは稀です。取引にかかる代金を、現金一括で支払える人は少ないからです。契約を取り交わしても、住宅ローンを組んで代金を支払う場合、ローンが実行されるまでには1~2ヶ月の猶予が必要になります。金融機関(実際には保証会社の、ですが)の審査に時間がかかるのです。
さて、せっかく決断して売買契約を結んだのに、契約した途端、購入を後悔する人がいます。検討が足りなかったのか、親族に揶揄されたのか、はたまた新たな物件に目移りしたのか…。代金を全額支払ってない気安さからか、契約を取り消せるのではないかと考える人もいるようです。
契約書の約款には、解除できるケースとその取り扱いについて明記された箇所があります。その一つは「手付解除」。手付解除期日までであれば、理由の如何に問わず、手付金を放棄すれば契約を解除することが可能です。次は「ローン解除」。融資承認取得期日までに融資の承認が得られなかった場合、あるいは否認されてしまった時、融資利用の特約に基づく契約解除期日までであれば、契約を解除することができます。また、この場合は手付金もそっくりそのまま返還される約束になっています。
確かに、住宅ローンが組めないのですから買えないことは明らかです。売主にとっても、解除は妥当な判断でしょう。でも、この特約を悪用して意図的に解除するのは違反です。融資の申込手続きを速やかに行わなかったり、故意に融資の承認を妨げたりすると、解除ができないばかりか違約金を請求される可能性も出てきます。
本当に買ってよかったのか、不安になる… なぜこのような心理に陥るのでしょうか?? 自分軸で検討を尽くして結論を導いたのなら、こんなことにはならないはずです。不動産取引は、動き出したら止めるのが非常に難しくなります。立ち止まって考える時間を誰も与えてはくれません。だからこそ、いろんな観点で検討を尽くすことが重要なのですよ。
物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談相手に巡り合うこと」
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