戸建用地の在庫が少なくなったので、土地を探してるんだそうです。山林だろうが農地だろうが、古屋付きで解体費用がかかっても、高低差があって面倒な土地でも、何でもいいそうです。
これは、宅地を開発して戸建住宅を建て、それを売却することで利益を上げる、建売業者からのポスティングハガキの内容です。宅建業を営む会社宛に、一様に発送されたものなのでしょう。
私は、そのハガキの文面に、違和感が湧きました。高度経済成長期に、都心から離れた場所で宅地開発された住宅街は、今、どうなっているでしょうか?人口減少や空家問題をかかえる中、これからは、コンパクトシティを目指して街を再構築していかなければならない局面を迎えているのに、これ以上、山林や農地をつぶしてまで家を建てる必要があるのでしょうか??
彼らの考え方からすると、「買う人がいるなら造って売るべき。買える値段で売り出せばまだまだ売れる!」ということなのでしょう。実際、昨年の不動産取引において建売住宅は好調だったようです。住宅ローンの金利も低水準で推移していますので、家賃負担と比べてもそんなにリスキーな買い物ではないと思われているようです。
もう一点、このポスティングハガキには気になる言葉があります。「土地買取も戸建販売も、仲介手数料を満額お支払い致します!」という一文です。これは何を意味するかというと、「住宅用地の売買取引についても、そして更に、その土地に建てられた建売住宅の売買取引についても、仲介業者として携わり、仲介手数料を手に入れることができますよ!あなたにとってもいい話ですよね!?」ということです。
建売業者にしても、販売活動を仲介業者に依頼する方が楽ですから一石二鳥というところでしょうか。ここで考えるべきことは、その仲介手数料分は販売にかかる経費として、販売価格に上乗せされているということです。逆に言うと、その分は値引き枠にも利用できるわけですが、仲介業者にしてみれば、手数料収入が減ってしまうので積極的な交渉はしてくれないだろうということです。更には両手仲介を目論んで、他社からの客付けをあからさまに拒否する可能性もあるのです。
このような手法は中古住宅でも見受けられます。中古住宅や中古マンションを買い取り、リフォームを施して再度販売する買取再販という手法です。ここでも、同じ物件の取引に二度携わることにより、仲介手数料を効率よく手にする仲介業者がいます。買主側の仲介手数料も手に入れるために、両手仲介を前提に囲い込みを行う業者もいるようです。
選択肢の一つとして、建売住宅や買取再販物件を検討するのは良いと思います。でも、その裏側にはどんな思惑が潜んでいるのか、想像してみることも大事だと思います。
物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談者に巡り合うこと」
対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。 |