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【福岡発】新耐震でも耐震性能の確認は不可欠ですよ!

建築基準法には最低限の耐震基準が定められています。最低限というのは、一定の強さの地震が発生して相応の揺れが起きた場合でも、倒壊や損壊をしない程度、ということです。

「一定の強さ」というのがどのくらいなのか、気になりますよね。旧耐震基準(1981年・昭和56年以前の建物)においては、中地震が想定されていました。中地震というのは、東日本大震災の時に観測された関東地方周辺での揺れの程度です。震度にすると5強程度、福岡でいうと2005年に発生した西方沖地震(3月の本震と4月の余震)が同程度ではないかと思います。

 

さて、建築基準法の耐震基準は、1981年(昭和56年)を境に、旧耐震基準と新耐震基準に大別されます。この年の法改正により、クリアすべき壁の量が強化されたのですが、その想定となったのは大地震(東日本大震災の時に、宮城県太平洋側周辺で観測された揺れの程度)なのです。震度でいうと6強以上ですから、福岡の人は、そのほとんどが体験したことのない揺れかもしれません。

想定される地震の程度が格段に上がり、それに見合った壁量を確保しているということは、耐震性能もかなり向上したように感じられるかもしれませんが、建物倒壊のメカニズムは、壁量だけでカバーできる問題ではなかったのです。

 

1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災では、新耐震基準で建てられた木造住宅でも、2階の重みに1階が潰されるという現象がたくさん見受けられました。要は、地面の揺れによって2階が揺さぶられ、その重みと揺れの長さに耐えきれなくなって1階がつぶれるという倒壊のメカニズムです。壁の配置バランスが悪ければ、揺れは増幅されます。また、構造体の接合部が弱ければ、揺れによる破断が引き起こされてバラバラに壊れてしまう可能性もあります。

かくして、建築基準法の耐震基準は2000年(平成12年)に改正されることになりました。必要壁量はそのままに、壁の配置バランスの規定と接合金物の規定が明文化されたのです。これを「現行基準」といいます。

つまり、「新耐震基準」は「現行基準」ではないのです。大地震でも倒壊しない壁量は有しているものの、配置バランスと接合金物については無防備な状態ですから、大きな揺れが続いた場合は倒壊の可能性を否定できないのです。

 

木造軸組工法の中古住宅であれば、耐震診断をして耐震性能を確認する方法があります。また、現行基準まで耐震性能を引き上げる工事方法も確立されています。中古住宅を購入する際は、耐震性能の確認を怠らないように、気をつけてください。 

物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談者に巡り合うこと」

 

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