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【福岡発】家を世代間で有効活用するという考え方

FPの専門誌に、興味深い記事が掲載されていましたので紹介したいと思います。昔は当たり前だったことが、平成から令和へと時代は移り変わり、ライフサイクルの変化が弊害をもたらしているようです。

 

2018年の総務省調査によると、日本は既に高齢化率28.1%で、世界一の超高齢社会になっています。金融資産保有状況を年齢別に見た場合、高齢者の資産保有割合が著しく高く、2019年に公表された「高齢社会における資産形成・管理」報告書では、2014年時点で金融資産の約3分の2を60歳以上が保有しているそうです。

その一方、世帯構成を見てみると、2018年時点で核家族世帯が60.4%、単身世帯が27.7%、3世代同居世帯が5.3%、その他が6.6%となっていて、過去の資料と比較すると、この50年で「3世代同居世帯」の比率が減少し、その分単身世帯や核家族世帯が増加傾向にあることが読み取れます。

昭和の時代は当たり前だと思われていた「子は親と同居して面倒をみる」という考え方は歓迎されず、現代は、「親は親世帯で自己完結、自分たちの世帯家計も自分たちで自己完結」という自由主義的な考えが主流で、世代をまたいだ補完関係が希薄となっています。年金に関する世代間のいさかいも、このような背景があるからかもしれませんね。

 

では、3世代同居世帯と核家族世帯の特徴をみてみましょう。3世代同居世帯では、親世代が建てた家で子世代を産み育て、約30年後に末子が自立、ちょうどその頃、自身もシニア生活が始まります。自立した子世代は家族を持ち、いずれ親世代と同居します。子世代は住宅購入という若年期の一大イベントを回避することができるので、孫世代の教育資金や自分たちの老後資金を無理なく形成することができるでしょう。親世代から子世代に相続が発生するころには、孫世代も独立して家族をもつ年頃です。家も築60年を迎え、そろそろ建て替えの時期です。子世代と孫世代家族の同居を視野に新築を計画するにしても、土地は既に自分たちのものですから住居費の負担は軽くなるはずです。

 

かたや核家族世帯の方はどうでしょうか。人生の三大イベントといわれる住宅取得、子供の教育、老後の資金準備を、自分たちの責任において果たす覚悟が必要になってきます。これからは、更なる少子化や長寿命化の影響も考えられますから、ライフサイクルも遅れがちでイベントの出現時期も予測が難しく、資産形成のために十分な時間を確保すること自体が困難になりそうです。

 

一概には言えませんが、ライフサイクルとライフイベントが世代間で噛み合えば、完全同居はしなくても道は開けそうです。各世代の家計における資産形成の進捗度合いに応じて、世代間で金銭的補完関係を維持することができれば、子世代も孫世代も、心理的安心感が得られるのではないかと思います。 

物件検索よりも大切なこと、それは「信頼できる相談相手に巡り合うこと」

 

対面相談が何故大切なのか分かり易い動画にしました。是非ご視聴下さい。


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