先週発生したトルコ南東部の大地震。テレビの速報で知ってから一週間、被害状況が明らかになるにつれ死者数が増え続けています。
跡形もなく崩れ落ちた集合住宅の様子をみていると、「なぜ??」という気持ちになります。勿論木造ではないわけですが、鉄筋コンクリート造でもなさそうです。専門家の解説を聞いていると、被害が大きい地域一帯は組積造が一般的で、地震に対抗する構造としては不十分なのだそうです。
現在は、過去の地震被害を教訓に、厳しい耐震基準が定められているそうですが、遵守されないケースも多いようです。地震が頻発するお国柄なのに、耐震性が確保されないまま都市が形成され続けている状態は、人災と言われてもしかたがないのかもしれません。
自然災害に見舞われたとき、何よりも優先すべきことは命を守ることです。それなのに、自分の家が脆弱なばっかりに命を落とすこともあるのです。
我が国における住宅は木造が一般的ですが、その耐震基準は過去の地震被害を教訓に、二度改正されています。分かれ目は1981年と2000年です。今この瞬間に、震度6強の揺れを引き起こすような大地震が発生した場合、倒壊する家もあれば、構造的に何ら問題の無い家もあるということです。
想像してみてください。地震発生が夜だったら、倒壊した自分の家に押しつぶされて命を落とすかもしれません。運よく逃げ出せたとしても、余震で倒壊の恐れのある家に戻ってそのまま生活することはできないでしょう。不自由な避難所生活を送るしかありません。
これが、2000年以降に建てられた現行基準の家だったら、理論上は耐えられるはずですから構造的には何ら問題はないのです。倒壊しないのは勿論のこと、その後の生活を今まで通り送ることもできます。多少、内外装の亀裂や剥離があったとしても、それは大きな問題ではありません。ライフラインが一時的に滞った状態でも、備えを万全にしておけば、不自由は最小限に抑えられるでしょう。なんといっても住み慣れた空間で、プライバシーが保たれた時間を過ごすことができます。
「公助には限界があるので、自助・共助に力を入れてください。」と、よく言われていますよね。自助の最たるものは、自宅をまるごと安全な避難所にすることです。防災グッズを蓄えることも大事ですが、古い家に住んでいる人は、自宅の耐震性についても確認してみてください。木造住宅であれば、2000年基準と同等にする補強工事の方法は確立されていますので。
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