家は余ってるはずなのに
人口減少、家余り、空家問題…、そう言われ始めて久しいですが、建売住宅の供給は今なお続いています。今話題の「住宅省エネキャンペーン2024」も、既存住宅のリフォームだけではなく新築も対象となっており、国の施策として、新たに家を建てることを後押ししている感じです。
昔は、大人になって家族を持てば、なんとなく、家を構えることができるものだと思っていました。そして、夢のマイホームといえば新築戸建て住宅! 日本人は昔から、何でも新品が好きですからね。
中古でもいい、でも家は新築がいい
ただ、ここ最近、価値観が変わってきましたよね。新品じゃなくて中古でもいいし、他人とシェアするのも気にしない、そんな人も増えています。家具や家電に車、洋服や本、日用雑貨まで、所有するよりも必要な時だけ借りる、あるいは、中古で十分、という合理的な考え方です。
でも、家だけは、資産として所有したい、できれば新築が良い、という考えの人も未だに多いようです。賃貸の方がお得とか、お金を貯めたいなら家は買うなとか、極端な意見もありますが、家を買う動機の一つには、安心感を得たいという気持ちがあるんでしょうね。不安が多い今の世の中、家族を守る自分の家が欲しい!という気持ちは、とても良く分かります。
中古住宅でもリフォームで甦る、とは言うものの…
でも、中古住宅は何となく不安なんですよね。確かに、建てられた当時の基準しかクリアしてないわけなので、現行基準で建てられた建売住宅に比べると、マイナス印象があるでしょう。
耐震にしても省エネにしても、リフォームで性能を向上させることはできるのですが、新築時に計画するのに比べると、リフォームで実現するのはとても難しく限界もあります。
そして、最近殊に感じるのは、中古だからと言って決して安くはないという現実。限られた予算の中で、十分なリフォーム費用を捻出するのはなかなか難しいかもしれません。そうなってくると、「建売の方がむしろ割安なんじゃないか?中古はリフォームしたって所詮中古」という考えが頭をよぎります。
土地や建物の広さを比べると、今の建売住宅よりもよっぽど余裕があって中古ならではの良さもある、とは思うのですが、新品の建売住宅に惹かれる気持ちも分かる…。
どっちが正解か不正解か、それは一概には言えません。とにかく、後悔のないように、しっかり検討を重ねて購入を決断してほしい、そう願うばかりです。