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【福岡発】相続税路線価が上昇!不動産の取引価格にも影響が

福岡県全体の上昇率が全国トップに!

土地の相続税を計算する際に基準となる路線価が、7月1日に公表されました。福岡県全体の上昇率は、去年と比べて5.8パーセント上がり、3年ぶりに全国トップとなりました。その背景には、2015年から始まった天神ビッグバンと、それに伴う堅調なマンション需要が存在します。

しかし、全国トップの立役者はなにも福岡地区だけではありません。北九州市や久留米市も10%以上の伸びを見せ、今まで横ばい状態だった飯塚市も、今年は上昇に転じたそうです。

路線価の役目と地価公示との関係

国税庁が毎年公表しているこの路線価は、その年の1月1日時点における、土地1平方メートルあたりの評価額であり、相続税や贈与税を計算する基準となります。税金を計算するためのものですから、評価額は地価公示の8割くらいに調整されています。

同じく、固定資産税路線価は、固定資産税を計算するためのものです。こちらは相続税路線価より低く設定されており、地価公示の7割くらいと言われています。

土地の売り出し価格にも影響

不動産取引における土地の売り出し価格を決定する際は、固定資産税評価額から割り出すのが一般的です。路線価に土地の面積を掛けて0.7で割り戻すと、地価公示とほぼ同じという理論を使うんですね。土地の形状によって評価が上下することもありますので、本当は、固定資産税公課証明書に記載された固定資産税評価額を参考にする方が正確です。ただ、実際の売り出し価格は、それから更に高めに設定されることが多いです。

地価公示価格は、不動産鑑定士という有資格者がきちんと鑑定して算出するものなので、「正常な価格」として認識されてはいますが、最終的な売り出し価格は売主の気持ちで決めるものですから、どうしても高め設定になってしまうんですよね。

不動産の取引価格は売主買主双方の合意で決まる

不動産取引は交渉事ですから、売主の主張ばかりが通るわけではありません。買主の主張も聞きながら、最終的な着地点を決めることになります。正に需要と供給の世界なんですね。その時々の状況により、値引き交渉が上手く行ったり、全く聞き入れてもらえなかったりするわけです。

値引き交渉が上手く行くと、何だか得した気分になるかもしれませんが、それは幻想かもしれません。それは価格の比較論であって、絶対的な価値ではない。実際の価値は、固定資産税公課証明書に記載された評価額でしかないのです。

実際に確認してみると、思った以上に低いことがほとんどです。つまり、払った価格ほど価値はないということ。

固定資産税が安いのはいいけど、買った価格で売れるわけじゃないですからね。だから、フルローンやオーバーローンは怖いよ、っていうんです。

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