空家の現状について
総務省の発表によれば、令和5(2023)年10月現在、全国の総住宅数が6,502万戸であるのに対して、空き家の数は900万戸、空き家率は13.8%に達しています。平成10(1998)年に初めて10%を超えてからというもの、空家率は年々増加傾向が続いており、これからも増えることはあっても減ることはないだろうと予測されています。
もはや、空家問題は社会的な課題なのです。その存在は、治安、衛生、防火など、地域生活に深刻な影響を及ぼし始めており、看過できない状況です。
空家問題における宅建業者の役割
空家対策には、解体と活用という2つの方向性があります。解体すれば話は早いのでしょうが、使えるものなら活用したいですよね。所有者がうまく活用できないのであれば、流通させることが必要になってきますから、空家を流通させるという空家対策において、宅建業者は重要な役割を担います。
が、空家の流通はなかなか進みません。何故か??理由は簡単、面倒くさいわりには報酬が少ないからです。この業界、社会的使命で動く人は少数派で、損得勘定が常に頭の中にあるのが普通です。一般物件の仲介をした方が手っ取り早いので、わざわざ空家の仲介に携わろうとは思わないわけです。
宅建業者の報酬は取引価額に比例する
宅建業法上、宅建業者の報酬の上限は、宅地建物の取引価額を基準に決められています。空家の価額は一般的な住宅のそれに比べるとはるかに安い…。安くないと売れないので仕方ありませんが、報酬見込みが激減するのは間違いない。だから、宅建業者は空家取引に積極的ではない訳です。
それでは流通が上手く行かず、空家問題の解決にはなりません。2018(平成30)年1月の改正で、低価額な取引における特例が設けられたりしましたが、期待された成果は無し。わずかな報酬アップでは動きがない、ということです。
法改正で更なる報酬アップ、今後の動きは??
ならば、もうちょっと上げてみようかな…、ということで、令和6(2024)年7月1日から、宅建業法における報酬規程が見直されました。とにかく空家の価格自体が低いので、上げ幅は少ないのですが、今回の目玉は賃貸の仲介も対象になったこと。借主の負担増はありませんが、貸主にも多少負担してもらって、空家を有効活用しようという意図が感じられます。
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