築古物件を買ってどこをリフォームする?
古い家を再生して長持ちさせる…、それは勿論いいことです。30年やそこらで解体処分されていた過去の建て替えサイクルからすると、エコでお財布にも優しいことは間違いない。
でも、再生するのが内外装や設備機器だけだと、安全で快適な家にはなりません。築30年の家を即座に取り壊す必要はないと思いますが、リフォームして長く住み続けるつもりなら、総合的な計画が不可欠です。
柱も重要だけど、耐震性を担うのは壁
テレビで紹介されていた築35年の和風住宅。和室二間を一続きにして、和モダンの大空間を実現していました。広縁や廊下まで取り込んで、かなり広いLDKになっています。ところどころに柱は残してあるものの、壁を撤去したのは明らかです。
軸組み工法の木造住宅は、柱や梁で構造躯体が構成されていますが、耐震性能を担うのは、柱ではなく壁なのです。柱を残しておけばいい、という問題ではない。壁を撤去するのなら、どこかにそれを補う壁を設置する必要があります。家全体の壁配置バランスを考えて、耐力を分散させる必要があるのです。
新耐震なら大丈夫?
現在の住宅ローン減税は、新耐震物件であれば受けられるようになっています。以前は、木造住宅においては築20年以内の物件しかその恩恵を受けることはできませんでした。築20年以上の物件で住宅ローン減税を受けようとする場合、事前に耐震診断を行い、耐震性を証明することが義務付けられていたのです。それが今では新耐震物件なら対象になるという…、つまり、今で言うと築44年の物件でも対象となるわけです。
古いものすべてが、耐震性がないわけではありませんが、古いほど劣化が進んでいるのは間違いありません。また、比較的新しい建物でも、適切なメンテナンスを怠ると劣化は進んでしまいます。構造躯体の劣化は、耐震性の低下に繋がりますから事態は深刻です。
リフォーム後の耐震性を確認すべき
新耐震かどうかをジャッジするのは新築年です。一般的には、登記簿の表題部分に記載された築年月が採用されます。(厳密には違うんですけどね)
ただ、先の和風住宅の例のように、間取り変更を伴う大掛かりなリフォームを行った場合はどうでしょうか?新築年はクリアしていたとしても、構造が変化しているということは耐震性能も変化しているということです。
手続き上、黙っていれば住宅ローン減税の対象として申請することはできるかもしれませんが、耐震性が担保されているかどうかは分かりませんよ。
正確な耐震診断と補強工事で、名実ともに安全な家を造り上げるべきでしょう。
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