⑥ 新築がベストか?
マイホームを持つなら、やっぱり新築住宅?…最新性能の住宅が、まっさらな状態で手に入れられるなんて最高の気分ですよね。確かに、建物性能の点から見れば勝るものなし!でしょう。
新築住宅に勝るものなし!は、ホント?
ひと口に新築住宅といっても、例えば戸建なら、完成した状態で販売される「建売住宅」と設計から依頼する「注文住宅」に二分されます。
まず「建売住宅」は、土地代込みの価格で売り出されているので資金計画が見通しやすく、実物を見て買える、すぐ入居できる点が特⾧です。完成済みのため施工品質が気になるところですが、工事検査や保証について法制度が整っているので、欠陥住宅を掴まされるようなことはないでしょう。
一方の「注文住宅」は、予算に合わせて自由に設計できる点が特⾧です。土地がないと設計できませんから、自己所有地がない場合、手頃な土地を探すところから始まります。実は、土地の取得から設計までの道のりが、意外と険しいことは知られていません。
最近の売地市場は、更地は希少で、古家付きの土地情報が大多数です。古家付きの土地を取得して新築する場合は、解体費や整地費を負担しなければいけません。「即建築可」の更地の中には、周辺環境の整備が不十分だったり、建築制限が付いていたりすることがあります。土地情報を見る際は、価格だけに気を取られてはいけません。
また更地の中でも建築条件付き土地は、指定の業者で建築するという「条件」が付いているので任意の業者へ変更することはできません。自由設計対応ができなかったり、モデルプランからの変更に制限があったりする場合もあります。自分の希望と折り合いが付けられるかが購入の判断ポイントになります。
資産価値についても考えてみよう
着眼点を変えて、資産価値についても考えてみましょう。
建物の価値は、新築時点が最大値なのは当然ですが、実は、住んだその日から中古住宅として扱われ、経年劣化のカウントダウンが始まります。評価はドンドン目減りしてしまうのです。一方、土地の場合、周辺環境の整備状況で左右されることはあっても、所有年数で評価が目減りすることはありません。
古くからある住宅街は生活環境が整っていて暮らしやすく、価値も安定していると言われています。つまり、資産価値の点では、「新築住宅に勝るものなし…」とは必ずしも言い切れないのです。新興住宅地の新築住宅を購入するよりも、環境の良い地域の中古住宅を購入して自分好みにリフォームするほうが、生涯住宅費としては得策かもしれません。
「何が何でも新築!」というのでなければ、「中古×リフォーム」という選択肢も、検討に値するかもしれませんね。