「子育てグリーン補助金」で積極的な省エネリフォームを!

子育てグリーン住宅支援事業

毎年恒例となった省エネリフォームに関する補助金制度。今年もいよいよスタートしますよ!

 

その名も「子育てグリーン住宅支援事業」

ん?過去にも似たようなネーミングが…。2024年が子育てエコホーム、2023年がこどもエコすまい、2022年がこどもみらい…、ちょっと使いまわしの感がありますね💦 混乱しそうです。

 

名前はよく似ているのですが、この補助金制度、毎年少しずつ変更が重ねられてきました。補助金の対象となる人や建物の要件もそうですし、補助金の額もそうです。

国内における住宅の省エネ化は、対外的にも重要な施策ですし、税金を投入する以上、より効果的に経済を活性化し、好ましい社会の未来像を実現したいという思惑もあったりします。

 

そのような意味合いから、2024年までの流れは子育て世帯重視でした。が、今年はちょっと違うみたいです。勿論、子育て世帯向けの対象リフォームも健在ですが、より高性能な省エネリフォームを多くの人に促すために、全ての住宅所有者(居住者)に向けた補助金制度となっているようです。

 

新築住宅も補助の対象になっていますが、ここでは、個人が行う既存住宅(平屋または二階建ての戸建住宅)のリフォーム工事を想定し、以下に分かりやすくまとめてみましたので、是非、参考にしてください。 

子育てグリーン補助金の対象となる人物は?

子育てグリーン補助金(リフォーム)の対象となる人物は、既存住宅の所有者(居住者)です。どのような年齢層・家族構成でも対象となります。また、現在居住している所有者はもちろん、これから既存住宅を購入する新たな所有者(買主)も対象となります。

 

省エネリフォームはその効果が分かり難いので、少ない予算で投資をするのは難しい…、でも補助金である程度賄えるのであれば、リフォーム計画に積極的に落とし込むことができるようになりますよね。

 

子育てグリーン補助金の対象となる工事は?

子育てグリーン補助金(リフォーム)の対象となる工事は、住宅の所有者(居住者)が、施工者に工事を発注して実施するリフォーム工事です。なのでDIYは対象外です。施工者とはリフォームが実施できる事業者(本事業の登録事業者)であり、事前に工事請負契約を交わす必要があります。

また、補助金申請は登録事業者が行うことになっており、住宅の所有者(居住者)は申請者にはなれません。つまり、双方の協力関係が不可欠だということです。

 

子育てグリーン補助金の補助対象工事期間は?

子育てグリーン補助金(リフォーム)の補助対象工事期間は、令和6年11月22日(補正予算閣議決定日)以降に工事着工、そして、令和7年12月31日までに工事完了(交付申請期限も同日)となっています。

但し、補助金申請は登録事業者しかできませんので、工事を実施するリフォーム事業者は、申請前に登録事業者になっておく必要があります。

 

子育てグリーン補助金の対象リフォーム工事は?

まず、次の①~③のいずれかに該当するリフォーム工事(必須工事)を含んでいることが必要であり、またこれらは補助の対象となります。

① 開口部の断熱改修

② 躯体の断熱改修

③ エコ住宅設備の設置

※経済産業省及び環境省が実施する補助金制度(本事業の連携事業)を同時利用する場合は、上記必須工事の一部と見なされます。

 

なるほど、目的が省エネ化ですからね。ここまでは昨年度と同じ、但しここからがややこしい…。

 

子育てグリーン補助金(リフォーム)は、SタイプとAタイプに分かれており、それによって必須工事とされるものが変わってくるのです。

Sタイプは、①~③の「すべて」に該当する工事を実施することが必要であり、Aタイプは、①~③のいずれかに該当する工事を「2項目」以上実施する必要があるのです。

つまり、いずれのタイプにおいても、①だけ、②だけ、③だけでは許されないという縛りがあるわけです。これは結構大変なことです。一番手軽で効果が高いとされる「①開口部の断熱改修」だけでは補助の対象とならないのですから…。

 

上記の必須工事を行った上で、④~⑧についても実施する項目があれば、補助対象となります。

④ 子育て対象改修

⑤ 防犯性向上改修

⑥ バリアフリー改修

⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入

 

そして、一申請あたりの合計補助額(①~⑧の合計)が5万円未満の場合は申請できないことになっています。

 

では、主な対象工事の補助額について、以下で詳しく見てみましょう。

 

①開口部の断熱改修

  • ガラス交換(ドアのガラス交換は対象外)
  • 内窓設置(既存内窓交換を含む)
  • 外窓交換(新規外窓設置を含む)
  • ドア交換(新規ドア設置を含む)

※ 改修後の開口部が指定の性能を有するために行うものに限る。

 

【 補助額 】

大きさの区分 ガラス交換 内窓設置 外窓交換 ドア交換
14,000 円 17,000 円 34,000 円 49,000 円
10,000 円 13,500 円 27,000 円

4,000 円 11,000 円 22,000 円 43,000 円

※ ガラス交換については、箇所数ではなくガラスの枚数で計算する。

※ 開口部の面積(又はガラスの面積)により大きさの区分が定められている。

※ 内窓設置だけでなく、内窓交換も対象となる。

※ ドアのガラス交換は対象外!

 

指定された断熱性能を見たところ、ZEHレベルの省エネ性能が求められています。4月から義務化される省エネ性能基準さえクリアすればよい、ということではなさそうです。

更に高性能な断熱窓を検討中なら「先進的窓リノベ」の方が断然お得!三省連携で同時利用が可能な補助金制度です。(詳しくはこちら >>

 

②躯体の断熱改修

  • 外壁、屋根・天井、床のうち、いずれかの断熱性能を向上させるための改修

 ※ 改修後の外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定量以上の断熱材を使用するものに限る。

 

【 補助額 】 

分類 外壁 屋根・天井  
ZEHレベル 84,000 円 / 戸 30,000 円 / 戸 52,000 円 / 戸

※ 上記はリフォームによる部分断熱の場合(性能による指定数量以上を使用した場合に限る)

※ 三つの部位すべてを断熱する必要はなく、実施した部位それぞれについて申請可能。

 

市場に存在する断熱材の性能はピンキリなので、選定には注意が必要です。性能が低いものを使用すると、求められる最低使用量は多くなります。

 

③エコ住宅設備

  • 太陽熱利用システム
  • 節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 高効率給湯器
  • 節湯水栓
  • 蓄電池

※ 基準を満たすものに限る。

 

【 補助額 】

エコ住宅設備の種類  補助額
 太陽熱利用システム  30,000 円 / 戸

節水型トイレ

掃除しやすい機能を有するもの

23,000 円 / 台
上記以外 21,000 円 / 台
高断熱浴槽  32,000 円 / 戸
高効率給湯機  30,000 円 / 戸
節湯水栓  6,000 円 / 台
蓄電池 64,000 円 / 戸

※ 太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器、及び蓄電池については、その設置台数によらず、設置を行った設備の種類に応じた補助額とする。

※ 節水型トイレ、及び節湯水栓については、設置を行った設備の種類に応じた補助額に、その台数を乗じた補助額とする。

 

補助額は、昨年よりも微増、あるいは据置といったところでしょうか。物の値段はどんどん上がっているので、相対的には減額の感が強いかもしれません。

 

上記①~③のいずれかの省エネ改修工事(必須工事)を、必要に応じて行えば、更に下記④~⑧についても補助の対象となります。

 

④子育て対応改修

  1. 家事負担の軽減に資する設備(基準を満たすものに限る)を設置する工事
  2. 防犯性の向上に資する開口部の改修工事(基準を満たすものに限る)
  3. 生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事(基準を満たすものに限る)
  4. キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事(基準を満たすものに限る)

子育て対応改修は、上記のように4種類の改修内容がありますが、ここでは、1.について詳しく記述します。

家事負担軽減に資する住宅設備の種類 補助額
 ビルトイン食器洗浄機 25,000 円 / 戸
掃除しやすいレンジフード 13,000 円 / 戸
ビルトイン自動調理対応コンロ 15,000 円 / 戸
浴室乾燥機 23,000 円 / 戸
宅配ボックス(住戸専用の場合) 11,000 円 / 戸

※ 上表に揚げる住宅設備について、その設置台数によらず、設置を行った設備の種類に応じた補助額とする。

 

前回は、掃除しやすいレインジフードと浴室乾燥機の補助額だけが若干上がってましたが、今回は、ビルトイン食器洗浄機と自動調理対応コンロが若干上がりました。どの商品も、家事負担の軽減のために満遍なく使ってほしいんでしょうね。因みに、宅配ボックスの補助額は、据置となりました。

 

子育て対応改修の目玉ともいえる「4.キッチンセットの交換を伴う対面化改修」と併用する場合は注意が必要です。対面化改修の補助額は、91,000 円 / 戸 と高額ですが、選定したキッチンセットに「掃除しやすいレンジフード」や「ビルトイン自動調理対応コンロ」がついていても、重複して補助を受けることはできません。

 

⑤防災性向上改修

  • 防災性の向上に資する開口部の改修工事

※ 基準を満たすものに限る。

 

⑥バリアフリー改修

  • 手摺の設置
  • 段差解消
  • 廊下幅等の拡張
  • 衝撃緩和畳の設置

※ 基準を満たすものに限る。 

 

【 補助額 】

対象工事の種類 補助額
 手すりの設置 6,000 円 / 戸
段差解消 7,000 円 / 戸
廊下幅等の拡張 28,000 円 / 戸
衝撃緩和畳の設置 21,000 円 / 戸

※ 上表に揚げるバリアフリー工事について、その箇所数によらず、改修を行った対象工事の種類に応じた補助額とする。

 

⑦空気清浄機能・換気機能付きのエアコン

  • 空気清浄や換気を目的とした高性能のエアコンを設置する工事

※ 基準等を満たすものに限る。

 

⑧リフォーム瑕疵保険への加入

既存住宅売買瑕疵保険とは別の保険ですから注意してください。リフォームの発注先である工事事業者が、リフォーム瑕疵保険への加入手続きができない場合は申請できません。補助額は一契約あたり7,000円です。

 

主な補助額等については以上です。詳しくは国交省のホームページご確認ください。

 

子育てグリーン補助金の算定方法と上限額は?

補助額は、前項で示した①~③のいずれかに該当するリフォーム工事を実施する場合(Sタイプは「すべて」、Aタイプは「二項目以上」)に、対象となるリフォーム工事に応じて、①~⑧に対して定められた補助額を合算し、一申請ごとに算定します。但し、同一のリフォーム工事が複数の対象工事に該当する場合は、いずれか高い補助額のみを合算するものとします。

※ 経済産業省及び環境省が実施する補助金制度(本事業の連携事業)を同時利用する場合は、上記必須工事の一部と見なされます。

※ 一申請あたりの合計補助額が5万円未満の場合は申請できません。

 

補助額の上限は、リフォームのタイプに応じて、下記のように決まっています。 

 

1.  Sタイプの場合…60万円

2.  Aタイプの場合…40万円

 

以前に比べると、この補助額の上限が凄く分かりやすい!

前回は、申請者の人物像(年齢層)や状況(若者夫婦や子育て世帯か)、更には、建物の素性(買った家か住んでいる家か)、リフォーム後の性能(普通の家か高性能な家か)などで、4段階にも分かれていたのですから…。

それが、今回は、どんな人でも建物でも、省エネに資する必須工事を実施する量で、補助額の上限が定められているわけです。補助金制度の目的がはっきり分かりますね。とにかく住宅の省エネ化を促進したいのです。「自分勝手にやりたいリフォームだけしても補助金は出しませんよ。単なる経済対策じゃないんですからね。 」っていうことですね。

 

子育てグリーン補助金の申請方法等は?

本事業は、工事施工業者が工事の発注者から委託を受けて補助事業者となり、補助金の申請及び交付を受けるものです。交付された補助金は工事の発注者に還元することが前提であり、申請にあたっては共同事業としての同意が必要です。

リフォーム工事に対する補助金の申請時期は、すべての工事の完了後となっています。事業者登録期間や申請期間が定められていますので、全体の計画と工程を管理しながら準備を進めることが大切です。

 

事業者登録期間

 令和7年3月上旬~遅くとも令和7年12月31日(予定)

交付申請期間

 令和7年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも令和7年12月31日まで)

 

ここで特筆すべきは、昨年の「子育てエコホーム支援事業」において事業者登録を受けている者は、引き続き、事業者登録を希望する意思表示をすることにより、新たに始まる子育てグリーン補助金に関しても、消費者の相談にいち早く応じることができる、ということです。早めに動き出すなら、「子育てエコホーム支援事業」の公式ホームページで、事業者検索をしてみるのもいいかもしれません。

 

子育てグリーン補助金の交付申請提出書類は?

リフォームで申請を行う際に提出が必要な書類は、次のA~Eのすべての書類です。

A. 共同事業実施規約(指定の書式)

B.工事請負契約書の写し

C. 工事発注者の本人確認書類(運転免許証の写し等)

D. 対象工事内容に応じた性能を証明する書類等(納品書や性能証明書、工事前後の写真など)

E. 工事着手したことがわかる写真(予約申請時のみ)

 

子育てグリーン補助金の申請書類の提出先は?

書類の提出を含めた申請手続きは、事務局に対して、申請者(工事事業者)がオンラインで行う必要があります。

と、昨年も同じ取り扱いだったのですが、オンライン申請のシステム障害が3月のスタート時点から頻発し、最後の最後まで混乱が収まることはありませんでした。事務局の対応も後手後手に回り、申請者である私たち事業者は、ただひたすら待たされ、全く動きが分からない状態を何か月も強いられたのでした…。

新たに開設された公式ホームページを見ると、体裁も色合いも一新しています!おそらく、事務局やオンラインシステムの運営も、新たな会社が採択されたのでしょう。今年はまともに動いてほしいもんです💦

 如何でしたか?

申請は事業者に委託しなければいけませんので手数料の支払いが必要になるかもしれません(弊社は自社工事の申請に限り22,000円で承っています。)。補助金の上限額は最高60万ということで、インパクトに欠けるかもしれませんが、むしろ獲得しやすい現実的な補助額だと思います。

いずれにしても、プロのサポートがないと申請はできません。早めに計画を立てて行動することが、成功への第一歩となるでしょう。

 

子育てグリーン補助金で中古住宅購入を成功させよう!

不動産購入を思い立った時、今までなら不動産仲介会社に相談すれば事足りていました。しかし、取引の中心が中古物件に移行した今、建物の状況を正確に把握しリフォームで改善することを考えれば、物件購入の流れと並行して、建物の調査・診断・リフォーム計画を同時進行で行うことが非常に重要になってきます。

特に補助金を使ってリフォームをする予定なら、購入予定の建物が補助金の要件にあっているか、計画しているリフォーム工事が補助金の対象となるかなど、早い段階で知る必要があります。マイホーム取得という目的に向かって全ての流れを滞りなく推し進めていくには、不動産にも建築にも精通したプロのサポートが不可欠なのです。

 

リフォーム計画を立てるにも、補助金を申請するにも、対象となる住宅が確定しなければできません。「中古住宅購入×リフォーム」を成功させたいなら、不動産購入の正しい道筋を早めに歩き出すことをお勧めします。

  

 

私たち「いえあーる」は、宅建業者であり一級建築士事務所でもあります。中古住宅購入からリフォーム工事までワンストップで対応できるのが最大のウリなのです。

 

今回は建築サイドのお話しでしたが、マイホーム購入のポイントも山ほどあります。無料の対面相談も行っていますので、「もっと詳しい話が聞きたい!私の話も聴いてほしい!」という方は、お住まい相談室に是非お越しください。

 

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